インド占星術の体系。シッダーンタ、サンヒター、ホーラー

  

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ラーム、ラーム。私の名前は アーディッティヤです。グラハ ラクシャナン ジョーティシュ チャンネルへようこそ。このビデオはヴェーダ占星術の第2部です。

このビデオでは占星術の分野について学びます。前回のリンクは概要欄にあります。 この動画は前回の動画の終わりの部分から始まります。

以下のシュローカをご覧ください。このシュローカでは、以下のように占星術のブランチについて言及しています。

 *स्कन्धत्रयात्मकं ज्योतिश शास्त्रमेतत् षडङ्गवत् । 

 गणितंसंहिता होरा चेति स्कन्धत्रयं मतम् ।। 

 スカンダ(स्कन्ध)は“枝”を意味します 占星術には3つの“枝”があります。


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 1つ目は” 数学”です。別称”シッダーント(सिद्धांत)”とも呼ばれます。

 (シッダーントは原理、理論、主義、原則、法則、教義 等の意味をもつ)


 2つ目はサンヒター(संहिता) 

 3つ目はホーラー(होरा)です。 


 占星術は単なる占星術ではなく、占星術を含む天文学であるとお話ししました。 ホーラーは予測などの目的で使用されます。 

これが数学・計算(ガニト/गणित)の分野であり、これが結果(ファリタ/ファリトफलित)になります。

(ファリトは "導き出された結果、計算結果、運勢"等の意味がある。)

たとえば、人のホロスコープを見るとき、私たちは占星術の算術からホロスコープ内の惑星の位置や度数などのデータを取得します。

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 そして、その人の過去と現在を読み解くために、ホロスコープにおけるこれらの惑星の位置をどのように解釈すればよいのでしょうか?

それでは、これらすべてを占星術のファリトの一部として説明します。

 最初の理論について説明します。 はじめに、シッダーンタから見て行きましょう。数学・計算(ガニト)の部分です。こちらも 2つのパートに分かれています。

 1つは数学的な計算です。

 2つ目は位置天文学(positional astronomy)とも呼ばれる球面天文学(spherical Astronomy)であり、これらはすべて数学的天文学に含まれるものです。惑星などの経度を計算するために必要な科目です。ずばり、幾何学の分野です。


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 そして、数値数学(अंक गणित アンク ガニト)、つまり算術(arithmetic)です。 

 潜在数学(अव्यक्त गणित)、つまり代数。代数は潜在数学とも呼ばれます。

この式を見てください。

x + 5 = y 。 

この数式では、xもyも値が固定ではありません。これを潜在数学と呼びます。

 次は方程式(समीकरण)です。この中には他の数学の主題もありますが、ここではそれらについては触れません。惑星の位置をどのように見つけることができるかについては、球面天文学(位置天文学)で学びます。


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 それらの知識を借りて、私たちは太陽系と宇宙の起源について知り、さまざまな種類の惑星や星の位置、速度、大きさ、日の出などを決定し、惑星の軌道、日食、月食を研究することができます。

また、日食の時間、継続時間、日食の可視性がどれくらい続くかなども決定できます。このシッダーントの原則は、暦(パンチャーンガ/पंचांग)を作成するために使用されます。

この暦には、すべての数学的な情報が含まれています。占星術師がホロスコープを作成するために必要な表が載ってありますが、今日ではこの作業はパンチャーンガではなくソフトウェアに置き換えられています。


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 占星術に関する18 のシッダーント(原理・原則)を紹介します。

 さまざまな賢者やマハリシなどが、惑星の動きや位置などを知るために独自の教義を記しており、これら18人の占星術のパイオニアによる18の原則があります。 

 “スーリヤ・シッダーント”は、つまり太陽神自身、

 “ピターマハ(पितामह)シッダーント”は、ブラフマー自身

 “ヴィャーサ(व्यास)シッダーント”はマハーバーラタの著者であるヴィャーサ(व्यास)自身、 

“ヴァシシュタ(वशिष्ठ)シッダーント”はラーマのグルであるヴァシシュタ、 彼らを含む総勢18のリシ達による体系です。

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 “アトリ(अत्रि)・シッダーント”はヴェーダ時代の七賢人の一人でもあるマハリシ・アトリ。

 “パラーシャラ・シッダーント”は『マハーバーラタ』の著者であるヴェードヴィャーサ(वेदव्यास)の父であるマハリシ・パラーシャラ。

 “カシュヤプ(कश्यप)・シッダーント”は、私たちと宇宙を生み出した創造者と考えられているカシュヤプ・リシ。(須弥山にカシュヤプ・リシのアシュラムがあるとされる)

 “ナーラダシッダーント”はナーラダによるもの。「ナーラヤナ!ナーラヤナ!(師のヴィシュヌの名前)」を唱えて両側に火を放つナーラダ・ムニのテレビ番組がありますが、実のナーラダはテレビでみるコミカルなかんじでなく、非常に知識があった人です。 

 さらにリシの名前を挙げると、

ガルグ(गर्ग)

マリーチ(मरीचि)

マヌ(मन)

アンギラー(अंगिरा)

ローマシュ(लोमेश)

パウリシュ(पौलिष)

チャヴァン(च्यवन)

ヤヴァン(यवन)

ブリグ(भृगु)

シャォナク(शौनक)

彼らも18人の開拓者の中に含まれています。 


最近では大規模な法話の集いを開催する霊性的指導者のもとに、多くの聴衆がやって来ます。私はこれら指導者のすべてがそうではないと前置きを入れておきますが…

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スピリチュアルな指導者の中に「占星術は役に立たない、占星術は偽善だ」と言っているのをあなたは聞いたことがあるはずです。

私はその人に言いたいのです。

「占星術について文献をのこした偉大なリシや賢人たちは、あなたたちよりも知能指数が低いのですか?」

 残念なことに、これらの理論のほとんどは元の形で残っていないのですが、6世紀の偉大な占星術師ヴァラーハ・ミヒラ(वराह मिहिर)は、先に述べたスーリヤ・シッダーンタ、ピターマハ・シッダーンタ、ヴァシシュタ・シッダーンタ、ローマシュ・シッダーンタなどを組み合わせて独自の理論を作成しました。それはパンチャ・シッダーンティカー(पंचसिद्धांतिका) として知られる解説書です。


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  シッダーンタについての解説はここまでとします。

 次に2番目のサンヒターの話に移りましょう。サンヒターは、特定の人ではなくすべての人に影響を与える、すべての人に起こっている事柄を扱います。

したがって、それはニミッタ(निमित,Omens)、つまり“原因となる症状または直接的な前兆”と呼ばれます。簡単に言うと、ある前兆を見ることで、あらゆるコミュニティ、都市、州、国の未来が語られます。

流れ星や日食などの発生、星座から星座への惑星の移動、つまり惑星の通過、あらゆる種類の自然現象の研究が含まれます。

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 それは万人に関わることであり、すべての人に影響を及ぼしていることでもあります。昔、占星術師はいつ雨が降るのか、天気はどうなるのか、疫病が流行するのかどうか、国家が干ばつや洪水などに悩まされるのか、こういったことを知るために使用されていました。

古代のサムヒターのこの部分はマンデーン占星術(मुण्‍डेन

 एस्ट्रोलॉजी),メーディニー ジョーティシュ(मेदिनी ज्योतिष)として知られています。

多くの賢者がナーラダ サンヒター(नारद संहिता)、ヴァシシュタ サンヒター(वशिष्ठ संहिता)、ブリグ サンヒター(भृगु संहिता)などのようなサムヒターに関する文章を書きました。

しかし、この中で最も人気のあるものは古代の天文学者・占星術師であるヴァラーハ ミヒラのヴリハットサンヒター(वृहत् संहिता)です。 

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次に進んで、占星術の最後の 3 番目の部分、ホーラー(होरा)を見てみましょう。

簡単に言うと、ホーラーは、特定の人の予測(personalized astrogy)が行われる個人的な占星術を意味します。これもまた、三つに分類されます。 

◆ジャータカ シャーストラ (जातक शास्त्र) 

◆プラシュナ シャーストラ(प्रश्न शास्त्र) 

◆ムフールタ シャーストラ(मुहूर्त शास्त्र)


 ここで、ジャータカ・シャーストラについて言えば、出生時に作成されたホロスコープを通じて、人の過去、未来、現在などが語られることを私たちは皆よく知っています。占星術は私たちの行為を読み取るための台本であることを知らなければなりません。

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 私たちのホロスコープにあるすべての縁起の良いヨーガと不吉なヨーガは、私たち自身の行動によって決定されます。

あなた方の多くがこのように考えていることでしょう、生まれたばかりの赤ん坊のどんな行動が、彼のホロスコープに悪いヨーガや良いヨーガを生み出すのか、と。 

 悪いヨーガや良いヨーガは、生まれたばかりの子の生後のカルマに基づいて決定されるのではなく、それらは前世のカルマの結果です。皆さんは私たちのホロスコープが直前の前世のカルマの結果であると考えているかもしれませんが、そうではないのです。出生図のすべての良いヨーガも悪いヨーガも、私たちの以前のカルマを反映しているのですが、

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 この前世のカルマは、私たちの直前に生きた人生のカルマの場合もあれば、10回前のカルマの場合もあり、200回前のカルマの結果もあります。それに制限はありません。 

それでは2番目のプラシュナ(प्रश्न)についてお話しましょう。 これは基本的に以下のようなことについて知るために使用されます。 出生図では簡単に検出できないものを見つけるために行われます。

例として、ゴールドの貴重品をどこかで失くしてしまい、それは見つかるかどうか、もし見つかった場合はどこで見つかるのか?と尋ねるとします。 さて、個人の出生チャートのどこに示してあるのですか?ダシャーやトランジットを調べても分からないでしょう。そこでこのプラシュナが開発されました。


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 このプラシュナ・シャーストラは占星術師を多くの計算や分析などから救い、答えも正しく導きます。誰かが出生に関する質問をしに来たとき、質問者の出生図と質問を問うた時間に基づき、星の配置で作成します。つまり、その時の惑星の位置を記録する必要があります。これがプラシュナ クンダリーです。

このプラシュナ クンダリーは、その質問に関連するすべての答えを与えることができます。このプラシュナ・クンダリーの用途はこれだけではないのです。 

 あなたはどうお考えですか、出生時のチャートで、何かのテーマについて悪いヨーガを持っている場合、その人ができることは何もないだろう、と。

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 彼の前世での行為だけが反映されるのでしょうか? 彼が今世でこれまでに行った行為には何の価値もないのでしょうか? 

 例として、誰かが結婚に関する鑑定を受けに出生図を持ってあなたのところに来て、「もし私が結婚したらどうなるのか教えてください」と聞いたとします。彼のホロスコープは7室が結婚の運が悪いのですが、プラシュナ・クンダリーでは結婚のサインが改善されている場合、それはその人が前世の結婚生活で悪い振る舞いをしたが、今世でその行為を悔い改めたということを意味します。

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 逆に、出生図では7ハウスが良く、プラシャナ・クンダリーでは悪い場合、その人が今の結婚に関する悪い結果は、前世からではなく、今生から来ていることを意味します。 さて、人の出生図にあらわれる良い結果も悪い結果も、プラシュナ・クンダリーの中に同じサインが見えるのであれば、この誕生では何の意味もありません。その場合に意味するのは、すべては前の誕生から来ている、といことです。出生図は私たちの前世のカルマのみを反映します。

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 そして、プラシュナ・クンダリ―は、前世の行いと、今生の今までの行いを反映しています。したがって、出生図を分析するだけでなく、プラシュナ・クンダリ―も準備するのが占星術師としての責任です。

 次は、三つ目のムフールタ・シャーストラについて。 あなたもそれが何に使われるのかよく知っているでしょう。特定の行事、仕事が成功する縁起の良い時間を知るために使用されます。 縁起の良い時間を決定する最初の記述はヴェーダにあります。初期の時代には、ヤッギャ(護摩焚き)などを実行するための適切な日時などが決定されていました。

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 なぜなら、ヤッギャは屋外で行われるため、ヤッギャを行う際に雨などの障害がないようにムフールタが採用されていました。 ここで、こんな疑問が生じます。神はとても慈悲深いのに、神に祈るためにわざわざムフールタで日時を選定する必要があるのか。

 いいえ、いつでも神に祈り始めることができます。今日でなくても、明日には間違いなく神の祝福を受けるでしょう。しかし、吉日を選定するその理由は、最小限の努力で最大の結果が得られる、つまり、ムフールタを知ることで、より多くの結果が得られ、労力が減るのです。

 (12:06) 

 人々は成功への鍵はないと言います。しかし、ムフールタは成功率を高める唯一のシャーストラです。 

さて、この分野の簡単な説明をしました。このビデオを気に入っていただき、何か新しいことを学んでいただければ幸いです。このようなアニメーションビデオが見たい場合は、私のチャンネルを気に入って購読し、モチベーションを得るために共有してください。

また、お会いしましょう。ジャイ・シュリー・ラーム

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